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 引用037 『King Of Pain』


今日、太陽には黒い点
ありふれたこと、来し方の如くに
高い樹の端には黒い帽子
旗を苛む風はやまない

高い絶壁には閉じ込められた化石
滝の中に凍るは死んだ鮭
春の引き潮に打ち揚げられる青い鯨
蝶は蜘蛛の巣にかかる

眼を刳り貫かれた玉座に在る王
疑いの陰を希求する盲人
黄金のベッドに憩う富者
髑髏はパンの耳に咽る

猟師に囲まれ裂かれる紅い狐
背の折れた黒い翼の鴎
今日、太陽には黒い点
ありふれたこと、来し方の如くに

  The Police/『King Of Pain』





2010⁄10⁄23 21:00 カテゴリー:引用、もしくは考えるべきこと comment(2) trackback(0)







 引用037 『生まれてこのかた、おれは見て来た……』


 台風の妹、嵐よ、おれがその美しさを認めない青々とした大空よ、おれの心の似姿である猫をかぶった海よ、神秘な乳房を持つ大地よ、星々の住人たちよ、全宇宙よ、それを華麗に創りあげた神よ、おれが呼びかけているのはおまえだ、一人でもいいから善き人間をおれの目に見せてくれ!

 ……まったく、おまえの恩寵がおれの生まれながらの力を十倍にしてくれるといいんだ、こんな化け物を見ていると、驚きのあまり死んでしまうかも知れないからな、もっとつまらないことでも人は死ぬんだぞ。

  渡辺広士訳/『ロートレアモン詩集』P.15





2010⁄10⁄04 21:00 カテゴリー:引用、もしくは考えるべきこと comment(0) trackback(0)







 引用036 『崩壊』


砂埃が宙に舞っている
一つの物語の終わったところに

あなたは知ったか
折り重なった石の死である
空気を容れぬ肺臓である
私は希望よりはむしろ絶望を埋葬した
幸いあなたは誤解するほど
よく聞いていなかったが

あなたの眼窩には一滴の涙がある
砂埃にも汚れない祝福された液体がある

私は影の木の実にすぎなかった
今では判読しがたい碑銘である
廃墟にとぐろを巻いて眠れば
もはやまぶしく舌が燃えあがることもない

  多田智満子/『崩壊』





2010⁄09⁄24 21:00 カテゴリー:引用、もしくは考えるべきこと comment(0) trackback(0)







 引用035 『黒い季節』


「言葉を持ちなさい。存在の孤独は、孤立を意味するものではないはずです。他者の言を食みなさい。他者に言を食ませなさい。それは貴方を内から暖めてくれるでしょう……そして闘いなさい」
「闘う……?」
双飛は頷いた。
「他者の温もりは冬の陽光のようなもの。闇は拓くけど、花の芽は伸びさせない。自らを咲きたければ、光のもとに自ら歩みなさい」

  冲方丁/『黒い季節』p.343





2010⁄09⁄10 21:01 カテゴリー:引用、もしくは考えるべきこと comment(0) trackback(0)







 引用034 『人外境通信』


 あゝ、可哀想なお前。お前はたまたま薔薇の樹として生まれたばかりに、そんな姿となってもまだ薔薇の花を咲かそうと、果敢ない努力を続けておいでなのだね。その誇りの、なんという空しさだろう。

 しかるべき家の庭に生まれ育ったならば、充分に手当も受け、扶けられもして、巨きな花弁と強い香りとを垣根にも壁にも輝かしく開こうものを、こんな薄暗い森陰に、看護る者もいない老婆のようにうらぶれ、枯枝を杖のように支ててなお生きてゆかねばならぬとは。それでいてまだ誇りを失わず、薔薇の樹であり続けようとする痛ましさ。

 もういい、もうおやめ。

 そんな畸型な花を咲かすより、いまのお前にふさわしい邪悪な姿に変身しておしまい。人間とても同じこと、このような姿に堕ちたならば、いさぎよく誇りを棄てて塵泥に塗れる生きざまを選ぶほうがどれだけましなことか。

 これまで御主イエズス・キリスト様に縋って、魂の苦患だけは救われたいと後生を願ってきた私だけれど、そして、せめてもと貧しい人びとに施しを怠らなかったけれど、思えば大それた望みを抱いたものだ。この一本の薔薇の樹さえ私の手にあまるというのに!

  中井英夫/『人外境通信』pp.26-27





2010⁄05⁄19 21:00 カテゴリー:引用、もしくは考えるべきこと comment(0) trackback(0)









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