Happiness is overcoming your fears
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 Koenji Raining


「俺たちが今日ここに集ったのは偶然じゃねぇ。運命でもねぇ。何だと思う?」
「……愛?」
「チッチッチッ……"ブッキング"って言うんだぜ。覚えて帰ってくれ」

 イタバシさんに連れられてライヴに言って参りましたよ。それはホームタウン高円寺、無力無善寺というライヴハウス。もう店の名前からしてややこしい。下見をしに行ったら、アジテーションだか前衛詩だか判んないものが書きなぐられた無数の張り紙と奇妙な像。一目見て彼岸だと理解する。

 以前怖いもの見たさで高円寺のプログレ喫茶(複雑な音楽を聴きながらお酒呑んだりするところ)に行った時の恐怖が甦る。どう考えても君の家だろう、ここは。カウンターは禁煙。入って早々に出る機会を逸する。高円寺は稀に牙を剥く。友人曰く「前友達が来たときは、常連さんと囲碁やってたよ」とのこと。

 さて、その無力無善寺に入ってみると、スキンヘッドの壮年がポシェットを携えて立ち塞がる。「お客さんですか?」彼の名札には「加害者」と記されている。大きなHello Kittyの薄汚れた壁紙/吊り下げられたぬいぐるみ/謎の祭壇/政治論/経典:傷ついた自意識の流す血膿。

 そして、ああ、ライヴは。「人生50から! 50になっても! いいことがなかったら! 死ね!」というショートトラックが実はもっともクリーンな歌詞だったかも知れないという地獄。半裸の男がくねりながら長唄(?)を吟じ、赤い着物の女はダークサイド昭和な散文を詠唱しながら、それをエフェクターで変な音に歪めてゆき、まともなバンドだと思った彼らも歌いだしは「コンドームを忘れた」だ。

 わけても。日比谷カタン氏は本当に凄かった。クラシックギターの弾き語りなのだけど、何処かから笛のような音が聴こえてきたかと思えばそれは声であり、会話と演奏、ボサノヴァ、ラウンジ、フォークを縦横に行き来していながら、それは一貫してエモーショナルでキャピタルな<音楽>であった。フレンチ風のお洒落な曲調でも、歌っている内容は剃毛であった。「僕の剃刀さばきに何か問題でも?」

 アルペジオからフラメンコ風のトリプレット(タタタ・タタタ・タタタってヤツね)を経て、殆どBlack Metalのようなフルシュレッドに至り、耐え難い緊張感を演出したかと思えば、HipHop調になり、スムースに小沢健二のカバーが差し挟まれる。ギターは一本でオーケストラに匹敵するという言葉が腹に落ちる。技術が卓越していることの素晴らしさを知る。

 そのような。お洒落なカフェや古着屋ではなく、前衛がとぐろを巻いている怪しげな魔界。いわゆる「俺たちが自慢されたい中央線/俺たちが自慢されたい高円寺」を堪能し、イタバシさんと中華料理を平らげながら音楽の話などに興じるサタディナイト・デモーニッシュ・サタディナイト。

イ「あー広告デザイナーの人なんだね。なんか納得」
ゆ「そう!?」
イ「いや、あんだけ音楽出来るのは気味悪いけど」





2011⁄01⁄27 21:00 カテゴリー:探検! 誰かの町 comment(2) trackback(0)











コメント



日比谷カタン、観ましたかー。私も門前仲町で
観たことがあります。私が見たときはアコギ
1本でYESの音世界を再現しているような印象
でしたけど文章を読む限りやってることは同じ
でしょうね。いかにもアングラですが確かに
ありゃ凄い。
(2011/01/27 21:42) URL | cota[ 編集]


cotaさん>
わ、cotaさんも!?
私あんなに心震える明日のジョーのカバー初めて聴きましてん。

(2011/01/29 01:21) URL | ゆ[ 編集]



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