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 引用007 『アラビアの夜の種族 Ⅲ』


 母親のズールムットがいう。「守らなければならないのですから。物語は不死ではないのですから」
「しかし、譚りによって不滅になる?」
「なります」
「そうか……」アイユーブの声音がいちだん深いところに、没んだ。「永続化」
 それに対する反応はない。ただ物語る母親の気配だけが暗闇の中でほほえんだ。
「永続化……永続化?」とアイユーブがみずからに問うように、かつ夜の種族(ナイトブリード)の全員の意思を問うように、囁いた。ことばの温度が下がり、ことばの重量はきわめて重い。「ひとりの人間が不滅になる。魔法か?」
 もちろん空気はうなずいた。
「不死の。自己の永続化。恒久に譚られて、そして生きる。物語として生きつづける。まるで、まるで……」
 その瞬間、アイユーブは「まるで歴史の譬喩(メタファー)だ」とつづけたかったのかもしれない。

  古川日出男/『アラビアの夜の種族 Ⅲ』p.360





2007⁄10⁄09 00:42 カテゴリー:引用、もしくは考えるべきこと comment(0) trackback(0)











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