Happiness is overcoming your fears
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 音楽だけが悪に拮抗する


 昨年聴いた音楽の中で、強く印象に残ったいくつかをご紹介したい!

 昨年の私は散々に"Possibility of Life Destruction"であり、その生活を一言で表すならばまさに"Wreckage"であり、CDのコレクションは減る一方であり、そのため殆どアンテナをへし折っていたと言ってよく、あんまりちゃんと素敵な音楽を発掘できていなかったのだけど。

 ……そもそも音楽について喋りたい人のBlog恒例の「今年のベスト10」的なことをほとんど(全く?)して来なかったような気がする。お行儀悪い! そういうのは年末に静々と行い、「来年もステキな音楽と沢山巡り会えますように」と祈るが作法ぞ。それにだいたいお前、去年は古~いGothやあんまり好きじゃなかったバンドの音楽を再発見したりとか、そういうのばっかだったじゃいかよ。

DEATHSPELL OMEGA / Epiklesis II

 最近、DEATHSPELL OMEGAって語の構造は"Love Portion No.9"と同じだと気付いた。「最終的な××の魔法」的意味合いとして。そしてその気付きはDEATHSPELL OMEGAはおろか世界の何物にも利さぬでしょう! 滅びよ!

 今回のDEATHSPELL OMEGAはとても錯乱していて、とても美しく、緊張感に溢れ、いと勝れるものにより人間が世界が奈落へ突き落とされ圧殺される様をとても写実的に(ええ、写実的に)表していてステキ。ギターの音が実はオールド・スクールだって気付いたときは最高に嬉しかった。

OVERKILL / Bring Me The Night

 お前ら私が働いているときにOVERKILLのライヴ参戦しやがって! ちくしょう! 俺に夜をもたらし来せ! バカァ! この曲のリフはわりとあるタイプなんだけど、何だか特別。「変に凝らなくていいんだよ!」的な。お馬鹿さんがお馬鹿さんなりのやりかたで音楽の本質を鷲掴みにしたような。

 人によってはミュージシャンシップの停滞だって言うかも知れないけれど、私は年季入った渋い連中が傲然と自分の得意なことをしているのって好きでね。新しいものが常によいものとは限りませんでしょう? ああ――清々しい。

THE REIGN OF KINDO / Thrill of The Fall

 EL&P的な四度進行のオルガンが分数の土煙を巻き上げながら襲って来ますよ、とても優しく! 不用意に「EL&P的」なんて言葉を使うな、舌を抜かれて中央線のホームから突き落とされるぞ。リズムも曲のテクスチャも凄く複雑なんだけどとてもエモーショナルで、例の数学者が設計した薔薇の折り紙を連想する。

 Progressive RockのようなRADIO HEADのようなEmotional CoreのようなJazzのようなHard Rockのような。20世紀の音楽史を辿り直したら、なんか源泉めいた何かになってしまったような野蛮さをマイルドにお届け。高潔であり、演奏技術が卓越していることは素晴らしいことだ、うん。

P & G w/ G OST / Fallen Angel

 アニメソングだよ(そのシニフィアンは固定的なシニフィエを持たぬ)。原曲はR&B的な揺れるアレンジなんだけれど、こうやって装飾を剥いでみると、George Winstonのようなハートエイキングなメロディ。サビが終わるあたりに言葉がギュッと詰まる感じはトラッドのよう。夜更かししていて物語が終わり、庇護を失ったような寄る辺ない気持ちが幻肢痛のように! "When the rain, the storm, and all is gone/Caress me with your sweet lullaby"って詩がたまらなくいい。

 同作品の"D-City Rock"も雑~な感じで気持ちよかった。あれ聴きながら中野から散歩していて、座・高円寺が見えてくると、なんだか興奮してくる。ひゃっほう! D-Beats Cityだ! お前の悦びは貧しい。実に貧しい!

ANATHEMA / Everything

 年々穏やかに、ジェントルになっていく"呪い"の名を冠するバンドの新作は本当に沢山聴いた! そしてヴォーカルの水平方向への膨張っぷりに驚いた。なんて様だい! それでもわけても、この曲のハーモニィは思わず空を見上げてしまうほどに見事で。

 調和する。共鳴する。昇って行く。不思議な力だ。それは人間独りでは行えぬことで、昔、神学者や哲学者が命を賭けて護ろうとしたものは、それを可能ならしめるものではないかと愉しく想像する。一般的に<魂>と呼ばれる。悪魔に売り渡すのは熟考の末でもよいかも知れんね。

音楽だけが悪に拮抗する。
音楽だけが悪に拮抗する。


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2011⁄02⁄08 21:00 カテゴリー:音楽の話 comment(0) trackback(0)







 音楽だけが悪に拮抗する


BelfastConfetti

Ricky Warwick / Belfast Confetti

 日常にそっと寄り添います。

 楽しい想像:音楽にはいくつかの別な起源があるかも知れない。生命の躍動であったりもするだろう。だけど、今聴いているのは、貧困により生まれ苦難に育てられたらしいもの。その類で一番有名なものを、我々はBluesと呼ぶらしい。

 むかしむかし、THE ALMIGHTYってバンドがいましてね。Rock'n'Rollが馬鹿げた鋭さと出力を備え、歌心にこだわり、どこか憂鬱を引き摺っているような、でも、アメリカ勢にはないちょっと上品なフィーリングを持った、まぁ、ヘンテコリンな人たちなんだけど、そこのフロント・マンのソロ作を見つけたよ!

 小さい部屋で録音しているみたいな、とてもパーソナルな感じ。フォークのようなロックのような。フィドルにフルートが乱れ飛び、アイリッシュ・トラッドの香りも。アイルランドの貧困層がアメリカに渡り、Bluesが出来たとすれば、その前のアイルランドから出る前。

 正直、どの層に訴求するのかよく解らない地味な作品だと言えば言えるんだけどさ(アンプリファイアされた音が聴こえること自体が稀)。ラヴソングなんてただの一曲も入ってないぜ。"Angel Of Guile"って曲がやや近いけど、終わった幸せについて天に唾吐くって内容だぜ。

 どの曲も何だか憂いとか、貧困とか、そういうものを引き摺っている。引き摺っているんだけどさ! 寒くてお金なくて生活もしんどいけど、ぶつかりあったら暖かいから、まぁ、人生はとんとん。そんな風通しのよい知性がキリッとした詩情と共に、荒くれ野郎の熱い喉から迸っていて、とても心安らぐ。"Blood"って単語が度々出て来るんだけど、彼にとってとても大きな意味を持った言葉のようだ。

だから"If you're gonna bleed, wear black"って詩は優しい。
だから"If you're gonna bleed, wear black"って詩は優しい。





2011⁄01⁄29 21:00 カテゴリー:音楽の話 comment(0) trackback(0)







 音楽だけが悪に拮抗する


UnexpectedFate

 BULLDOZERの21年ぶりの新譜がかっこよすぎて泣けてくる

 "Aces of Blasphemy"とか"Counter Crusade"とか、もうさぁ! そんな予習不足の状態で臨んだ、あのBULLDOZERのライヴ。TERROR SQUADの人の「もう緊張だか何だかで、ライヴ前からTシャツが塩吹いてる状態なのに、やっぱサイン欲しいから、家までレコード取り帰ってさ、20年! 20年待ったよ!」ってな謂は、宝石のようだ。

 BULLDOZERがセッティング中に流れていたANGEL WITCHでの大合唱という異常事態、袖を切り落としたジージャンに種々のMETALバンドのロゴのパッチワーク、ガンベルト、汗だか溢した飲み物だかでズルッズルのフロアでサークルピットに勤しんでいたらすっ転び、ロンゲのマッチョに迅速に助け起こされる(踏まれちゃうからね)私。

 これぞMETALマナー。私が憬れるバンドが夢見るような目で語る、"あの時代"に、私はいたの!

 BULLDOZERと来たら、ポルノスターがどんなにグレイトであるか歌ってたり、そのグレイトなポルノスターが議員に選ばれたことを歌ってたり(ポリティカルな風刺のつもりか)、ストリップ小屋でストリッパーの悪口を言うことを歌ったり。でも新作には「友達いっぱいやなwVIPなんやなw」とネット中毒をDISる曲とか、もっと直接的に"Use Your Brain"って言ってたりとか、するよ。ねぇ……。

お馬鹿さんにお馬鹿さん扱いされる気分はどう?
お馬鹿さんにお馬鹿さん扱いされる気分はどう?






2010⁄08⁄28 21:00 カテゴリー:音楽の話 comment(0) trackback(0)







 音楽だけが悪に拮抗する


doimoi.jpg


DOI MOI / Dialectic and Apocalypse

 MESHUGGAHの角を丁寧に研磨してしっとりさせたようなバッキングに、これまたGraham Bonnetをソフトにした感じのソウルフルなヴォーカルが乗る。混ぜてはならぬものを混ぜ、何故かゴリッと万人向けのJOURNEYやASIAに異常な角度から接近する。ボーリング大会で突如独り詰め将棋を始め、ピンをバコバコ倒してるようなこの世ならぬ風景。

 この「ギンギンに尖らざれば死。だけど、一番大事なのは歌だろ」という姿勢はTHE ALMIGHTYをちょっと思い出させる。すなわち、主張は正しいけれど、産み出されたものはどこにも属さないという、寄る辺なき変態性を礼賛す。

 ギターの陰影の濃さや、妙にややこしいリズム隊、そしてフワッと浮き上がるような素晴らしいコード/音の壁、といった点にそこはかとなくRUSHの馨り/花曇りの空のような、すっきりしない青さを感じさせるコードワークがなんだかBruce Dickinsonの組んだ変態オルタナバンドSKUNKWORKSっぽくも。

 入り組んだテクスチャーの曲の数々が、ほとんど2分~3分でパリっと終わるあたり、とってもキュートで、そのスムースさがときどきフュージョンにも聴こえる。MESHUGGAHがどうの、と冒頭で剣呑なことを書いたけど、さらに連想を重ねるなら、MESSHUGGAHがドリルなら、DOI MOIは毛筆の感触がある。

 そんなこんなでリフときたら、CARCASS的なキモさを遺憾なく発揮してみたり、パーカッシヴにポリリズムしてみたり、鉄屑が転がるようなジャンクなリフを刻んでみたり、地下住人然としていつつ、ウェルメイドな音造りで、なんだか聴けちゃう上に、フラッシーなギター・ソロもお手の物。

 そうね 今年は窓を開けておくわ。夜の本当の暗さが知りたいの。

 上記の詩が素晴らしい。なんと言うか、小さな永遠を上品に捕らえているように思われる。短歌の世界で言葉を入れ替えられる句/歌を「この句/歌は動く」と評するのだけど、例えば「今年は窓を開けておくね」とか「今夜は窓を開けておくわ」だと、決定的に何かが損なわれる。凄い。これぞまさに棒立ちのポエジー。

 ちなみにDOI MOIの中の人のBlogはこちら。突然THUNDERHEADに猛烈な執着を見せたりするいい人。うわ、DOI MOIのTシャツ欲しい!






2009⁄12⁄07 00:00 カテゴリー:音楽の話 comment(0) trackback(0)







 音楽だけが悪に拮抗する


fas

DEATHSPELL OMEGA / Fas - Ite, Maledicti, In Ignem Aeternum

 『Kenose』アルバムは大好きだ。"I.Everything except GOD, has in it some measure of privation, thus all individuals may be graded according to the degree to which they are infected with mere potentiality."最高(腹立たしいことに、こういう曲名)。1日中聴いてたい。勿論『Kenose』アルバム以前も大好き。

 その後の『Fas - Ite, Maledicti, In Ignem Aeternum』あたりからよく解らなくなってきたので遠ざかっていたのだけど、そろそろDEATHSPELL OMEGAと仲直りしたい時期なので、腰据えて聴いてみたよ。だって、ほら、寒いし。

 "The Shrine of Mad Laughter"や"Bread of Bitterness"は完膚なきまでに醜い曲だ。錯乱/麻痺/錯乱が入り乱れ延々と続く。ギターの音程が乱昇降を繰り返し、それにユニゾンしてリズムも嬉々として崩壊していく。Chaotic Core勢に接近しつつも決定的に違う気がする。リズム隊の資質とメロディに対する執拗な拘りに起因するんじゃないかと思う。

 えー、THE BEATLES絡みの話をするけれど。John Lennonの"Imagine"って曲を思い出して欲しい。あの曲のサビに入るまで、コードがどんどん不安定になっていく感じ。サビでコードが安定し、ホッとすると言うか、気持ちが開ける感じ。これを「終止感」って言うそうな。

 全楽器一体となって雪崩のように猪突するパートにおいても何かが鳴ってるけどよく解らない、痛めつけられ過ぎて感覚がなくなったような静かなパートにおいても、どこまでもどこまでも不安定になって行く。ときどき「終止感」があったらありがたくて涙が出そうだ(見よ、人間はここまで譲歩出来る)。

 出鱈目に歌ってても、時間が経つと、出てくるフレーズに繰り返しが多くなって陳腐化してしまうでしょ? このように「終止感」や解決が音楽にある限り、醜いメロディってのは、実は存在し難い。しかるにこのアルバムは徹底的に醜悪なメロディの顕現という難事に挑み、成功している。

 だからと言って、それが嬉しいか否かはまた別次元の話だが。

 このアルバムの敷居をガン上げしているのは曲の長さ。10分前後の曲が3曲、7分台が1曲、15分越えが1曲。2分というキュートな長さの曲はアウトロである。これはてんで解決に向かわないメロディが酷く長く続くということを意味する。地獄の本質は終わりがないことである。たかだか音楽聴くってだけで随分な<克己心>ってやつを必要とするな!

 それでも繰り返し聴いちゃう理由:醜悪であることとリフが理知的でエモーショナルであることは矛盾しないのだぜ。それがどのような形であれ、強烈であり、心を掻き乱すフレーズが沢山入っていて、何かしらの意図でガッチリ構築されている。"A Chore for the Lost"では絶望的に儚く美しいメロディもちょこっと出てくるよ。

 最早何リットル悪魔汁を飲んだらそんな発想が出て来るのか解らないようなギターフレーズが散見され、とても楽しい。それに何度も言うけど、ここのリズム隊が好き。非人間的な不思議ブラストを駆使する場面にあっても、どこか野蛮というか、AC/DCあたり好きに育てられたような、古き良きRock'n'Rollの旨みがある気がする。

 次作の『Veritas Diaboli Manet in Aeternum - Chaining the Katechon』は1曲で22分もあるぞ。喜べ。






2009⁄12⁄01 00:00 カテゴリー:音楽の話 comment(2) trackback(0)









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